一般社団法人IgA抗体医療学会

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ご挨拶

IgA抗体医療学会
代表理事 新藏 礼子

IgA抗体医療学会は、「腸管に分泌される多量体IgA抗体が腸内細菌叢を改善することで、多くの病気の予防や治療に役立つ」という基礎科学的知見に基づき、IgA抗体医療により人類に限らず生きとし生けるもの全ての健康を向上させるという壮大なビジョンを抱いて、2023年に設立されました。IgA抗体医療には、外から与えるIgA抗体医薬だけではなく、宿主の有用なIgA抗体を誘導するための医療も含みます。

これまでの医学、農学、薬学、理学、工学の垣根を取り除き、人類や家畜が直面する健康問題や新たな感染症に対して、IgA抗体を通した微生物叢制御をコンセプトに様々な知見を交換し、それを進化かつ深化させる場としてこの学会を位置づけております。これは、東洋に古くから伝わる「医食同源」の理念を科学的に具現化して、食事と健康の関連性を深く掘り下げ、微生物叢の良化を通じて、人類だけでなく地球上の生きとし生けるもの全ての健康を高めることを目指すことです。また、確固たる科学的根拠を基礎として、未来への扉を開くカギとなる研究を推進し、その結果を社会に幅広く届けるため、科学的知見を学術界のみならず政官財各界の方々とも意見交換を行ってまいります。例えば、腸内細菌叢は、様々な細菌が独立しつつも互いに調和を保ちながら、私たちの健康を支えております。この学会において、関係各業界の方々が同じ土俵で意見を交換し互助関係を結ぶ事が出来れば、新たな医療を生み出す学会となります。

特に、現在の医療は、単独の分子標的の解析に重きを置きすぎて、全体のバランスという視点が軽視されているように見受けられます。しかし、腸内細菌叢のように複雑に個々の生物が絡み合った環境に介入しようとするときには、1分子を標的にするという考えでは立ち向かえないと私は考えております。多種多様な微生物に対して、我々人間も多種多様な方面から「健康」とはどのような状態なのかを考え、生体のバランスを重視した医療へと変化するべき時期ではないかと思います。皆様との出会いを楽しみにしております。

2023年6月9日